マンション リフォーム リノベーション

中古住宅・リフォーム トータルプラン(その1)

日本の住宅政策

日本国の「新成長戦略」に於いて策定することとされている中古住宅・リフォーム市場整備の具体的施策を決定する検討会が一年間の協議を終え、一昨日その原案が国交省から発表されました。内容は、そうばな的で具体性に乏しいものではありますが、少なくとも日本の住宅政策が今後向かう方向は明確に提示されています。こういった政府の指針情報はなかなか一般消費者の皆様に伝わりにくいため、今回は発表された中古住宅・リフォームトータルプランについて概要をご案内させていただきます。

トータルプランの概要

このプランは、2020年までに中古住宅の市場規模を現在の10兆円から、20兆円に倍増するために1.中古住宅流通市場の活性化と2.リフォーム市場の整備を行うことが目標とされています。

トータルプランの意義

現在の日本の住宅流通量に占める中古住宅の流通量は13.5%と欧米先進国と比較(米国77%イギリス88%)して極端に低く、今後少子高齢化が進む中で住宅の取得や長寿命化を既存ストックの活用に転換させる必要があります。

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トータルプランを実現させる意義として以下の5つが上げられます。

1.無理のない負担でニーズに応じた住まいの確保
・30歳代の所得が年々低下する中で市場整備による住宅に関する選択肢を増やす

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2.住み替えによるライフサイクルに応じた住まいの確保
・単身高齢者や中高年世帯の多数は広い住宅に居住しているミスマッチを解消する

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3.住宅の質の向上、資産価値の維持・増大
・平均30年で取り壊しなどで滅失している日本の住宅を適正なリフォームで維持する

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4.低炭素・循環型の持続可能な社会の実現
・断熱改修リフォーム促進による住宅の省エネルギー性能の向上を図る

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5.住宅投資の活性化による内需拡大
・生活者の多様なニーズに対応できるリフォームの担い手を育成強化しリフォーム需要を促進させることで内需拡大と地域の活性化を実現する

中古住宅流通市場の課題

トータルプランの二つの目標にはそれぞれの課題があります。まず、生活者から見て中古住宅を購入する場合の課題は以下の4つです。 1.中古住宅の品質・性能に対する不安 ・中古住宅は新築住宅と比べて物件ごとの品質に差があることに消費者は不安を感じています。中古住宅物件の状態について第三者が客観的に検査・調査する仕組みはありますが、検査や調査の結果について問題が発生した場合の責任所在や保証などについて整備する必要があります。また、住宅の新築やリフォームを行った際に作成される設計図書や施工写真などの情報を住宅履歴情報として蓄積し、活用できる仕組みをさらに普及させることが必要になります。 2.中古住宅の物件情報の不足 ・中古住宅売買物件に関する情報提供が不十分なため、ニーズに合った物件がなかなか見つからないと考えている消費者は少なくありません。また、中古住宅の価格について妥当性を確認するための取引価格情報や、実例の件数を増やすなど情報提供内容の充実を図る必要があります。 3.購入した住宅の保証 ・中古住宅売買時に担保される瑕疵保証制度については、宅建業者が売り主となるいわゆる「買取再販物件」では原則として2年間の瑕疵担保責任が義務付けられていますが、個人所有者が売り主となる場合には二カ月程度のケースがほとんどで、十分な保証とは言えません。 4.住宅の質の資産評価への反映 ・住宅の市場価値が20年から30年で資産価値はゼロと評価される現状では、家を手入れして質的向上を考える意欲を失うことになります。良い住宅を造り、適正なリフォームで手入れして、住宅性能や生活価値を向上させ長く大切に使うことで、住宅の資産価値が正しく評価されるような仕組みづくりが必要です。

リフォーム市場の課題

トータルプランのもう一つの目標であるリフォーム市場についても様々な課題が存在しています。 1.事業者選定に必要な情報の不足 ・リフォーム工事は小規模な工事も多いことから「建設業許可」を受けていない業者でも受注できることになっているため、技術力や専門知識に乏しい業者によるリフォーム工事がトラブルや問題を引き起こす要因にもなっています。

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生活者が安心して依頼できる良質なリフォーム会社選びに必要な「リフォーム事業者情報」の提供が必要です。 2.リフォーム工事費用の分かりにくさ ・「どこに頼めばよいか分からない」と並んで「いくらくらいの費用がかかるのかが分からない」と感じている消費者がほとんどです。リフォーム工事の内訳は工事規模の大小や、工事内容の種類によって異なります。 また、複数の工事種類が組み合わされることから、見積もりを精査するためには専門的な知識や経験が必要になります。専門的な第三者による見積もり内容のチェックや相談・助言など、生活者支援のためのサービスを提供する仕組みを普及する必要があります。 3.リフォーム工事の質に対する不安 ・「すまいるダイヤル」に寄せられるリフォーム相談件数は年々増加傾向にあり、昨年は5094件で前年の1.9倍となりました。また、その30%が不具合によるトラブル相談となっています。 書面や図面などによる工事契約を行わないため、費用や施工内容・工事品質に関してリフォーム業者とトラブルになるケースがほとんどです。

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見積もり金額のチェック以外にも、専門的な第三者による契約書類の確認や工事の検査など生活者支援のためのサービスを提供する仕組みを普及する必要があります。 4.リフォーム資金調達における課題 ・新築あるいは中古住宅を購入する場合の費用は「住宅ローン」で賄う場合がほとんどですが、リフォーム工事の場合は個人のお財布から支出されるのが一般的です。大型化するリフォーム工事の支出を家計から捻出する難しさやリフォームローンの高い金利を考えると、リフォーム資金の調達方法に関する新たな仕組みが求められます。 中古住宅購入費用+入居前リフォーム工事費をセットにした住宅ローンの融資や、自宅ローンの借り換えによるリフォーム費用の融資など新たな融資サービスを普及させる取り組みが必要です。

中古住宅流通市場+リフォーム市場の担い手に関する課題

トータルプランの二つの目標に共通する課題として「担い手の育成」があります。1.中古住宅流通市場の担い手  中古住宅の60%が売買の前後でリフォームが行われています。このような状況で、中古住宅リフォームの川上に位置する流通市場の担い手は住宅の劣化診断やリフォームに関する知見が求められますが、現時点では十分とは言えません。2.リフォーム市場の担い手「今ある住宅をリフォーム工事で何とかしたい」と考える生活者に向けて、リフォーム事業者は、きめ細やかで専門的な対応を直ちに求められます。既存部分との取り合いを考えながら構造安全性や施工品質を確保するリフォーム工事は新築工事以上に経験や技術力が必要とされますが、現時点ではこういった知識と経験を有する人材が不足しています。3.技術開発  中古住宅をリフォームによって再生し、住宅性能や生活価値を向上させるためには新築時の記録やその後のメンテナンス記録についての情報が必要ですが、紛失などによって満足できる資料が保存されていないケースがほとんどです。こういった場合でも、既存診断が適切に行えるような診断検査技術や施工後の性能向上評価を簡易的に診断できる手法などを整備する必要があります。以上が、一昨日発表された「中古住宅・リフォームトータルプラン」概要の現状と課題です。

次回は、これらの課題に向けた整備に関する取組を具体的にご説明したいと思います。

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